Wafty’s diary

情熱は止まらない 私達は進み続ける

片足運動靴失踪事件

昨日…いや、日付が変わってるから一昨日の事になるのか。今から書く事は全て事実である。

一昨日の夜、家の前で少し奇妙な事が起きた。
家の前には一車線のごく普通の生活道路がある。事件はそこで起きた。
午後10時半過ぎ、母が家へと帰宅した。すると母の様子がいつもと微妙に違う。何かあったのか聞いた。
「運動靴が片足だけ道路の真ん中にある…」
「嘘だぁw」
全く冗談もいいところだと思った自分は家の前の道路を見に行った。

そしたら本当にあった。真っ白な運動靴が片足だけ道路の真ん中にあったのだ。
その靴は家の玄関にあるセンサー式の外灯に照らされていて不気味だった。
「これだけじゃない、あっち見て…」
母に言われた方向を見る。するとカーブミラー越しにハザードランプをつけた車が止まっていた。
その時、母と私は直感的にその車がおかしい事に気付いた。
まず、車内の明かりが消えている事。だがこれはまだ携帯チェック等だとしたらあり得る。

だが、ここから謎の点が出てくる。
まず、車のエンジンが停まっている。普通、携帯チェック位でエンジンまで停めるだろうか?
次に、車のライトが前後両方点いていない。普通、ライトまで消すだろうか?
更に、車がおかしい位置に停車している。これは具体的に言えば、狭い道幅の部分に停車している。
普通、一車線の道路で車を停める時に狭い道幅で停めるだろうか?
対向車を考えて比較的広い場所に停めるはずだ。
もし対向車も通れる位の道幅まで行って停めるなら、その車はカーブミラーに映らない。
なのに、車はカーブミラーに映っている…つまり、車は対向車が通れない位置に停車している事になる。

もし、アイドリング機能搭載車なら今の謎は全て解決する。更に、停車位置も不意なものであれば謎は消える。
ただ、この仮説と異なる場合…片足の運動靴と謎の車…一気に事件性が増してくる…。

だとしたら最悪の場合…いや待てよ…て、ことは…加害者がまだあの車内に…?

次の瞬間、一気に背筋が凍る感覚になった。母も同じ事を思ったのか、直ぐに母と共に家に入った。
そして本能的に鍵をかけ二重ロック。しばらく、センサー式の外灯が消えるのを待つ。
数分後、外灯が消え、再び道路は闇に包まれた。時間にして午後10時45分。
まだ運動靴があることを暗闇の自分の部屋の中から確認した。

ただ車の様子は崖に隠れて部屋の中からは分からなかった。
「まぁただの思い込みだろ…」
自分はそう思って、再びいつもの日常生活に戻っていった。

そして午前1時過ぎ、そろそろ寝ようと思い再び自分の部屋へ向かおうとした。
しかし、やっぱりあの靴が気になる。
再び道路へ見に行った。瞬時に家の玄関にあるセンサー式の外灯が自分に反応し、道路を照らす。
しかし、その照らされた道路にあの運動靴は無かった。
だがその時は「まぁ車が通って溝にでも落ちてんだろ」程度に思っていた。
道路の横には見張らしが良く水が流れていない深い溝があったが、暗いので明日その靴を探そうと思った。
そして翌朝。その溝を覗いた。しかし見当たらない。くまなく探してもやはり見当たらない。
「…マジかよ…」
自分は不気味に感じた。

地元TVや地元紙は特にこれといった事件は報じていなかった。実に奇妙だった。

突然として消えた謎の運動靴…あれは一体何だったのか。
そして謎の車…全て偶然が生み出した産物なのか。

今でも謎だ。