それは普通の穏やかな晴れの日のこと。
私はとある山奥を走るローカル線の気動車に乗っていた。
木々は新緑に染まり、鮮やかな車窓が広がっていた。列車はどんどん山奥へと進んでいく。
終点まで乗るつもりだったので途中で起きる心配も無く、途中で駅に停車する音を楽しんでいた。
そして夢に浸ってからどのくらいの時間が経ったのだろう。
ふと外を見た。車窓が止まって見える。列車は止まっていた。
しかし止まっているのは普通の線路上で駅やホームは周りに見当たらない。
それどころか随分と山奥の中だ。立ち往生でもしているのだろうか。
気動車のエンジン音だけが車内に静かに響いていた。
不思議に思った私は車輌先頭部へと行き、ここがどの辺りなのか確認しようとした。
しかし、私が見た風景は予想もしなかった風景だった―――――――。
「………線路が………無い……………」
私の目の前にあった風景は、線路が山の中へ消えていく風景だった…
このまま山の中に突っ込んでくれと言わんばかりに線路が見事に途切れていたのだった。
私は一瞬、目を疑った。
何度も瞬きをした。
しかし、線路はそれでも山の中に消えていた…
まるでこの先に全く違う世界が待っているかの様に…………
以上、小説 『理想郷への道』 からでした((←
まぁ世の中には面白い線路があるというわけでして、上の写真も勿論本物です。
ただ、山奥で行き止まりってのが何とも不思議な感じを醸し出していますねw
皆さんも是非見てはいかが?(笑)