Wafty’s diary

情熱は止まらない 私達は進み続ける

死ぬかと思いました

バトンではありません。本当の話です。

8日(日曜日)の夕方。
私は、母に祖母の自転車の後部にあるカゴを取り外してくるように頼まれました。
祖母が普段使う自転車を母がある用事で使うために、後部のカゴが邪魔だったからだそうです。
祖母には既に許可を貰っているということで早速、取り外しに行きます。
プラスドライバーを片手に祖母宅へ。祖母の家は歩いて行ける距離にあります。
祖母の自転車は祖母の家の隣のアパートと共用の駐輪場にとめてありました。
自転車後部にあるカゴを外す作業に入り、ネジを1本取り外したところでした。

「ぅぁあああああああッ!!うぁうおおぁッ!!!!」

突然、駐輪場のすぐ目の前にあるアパートの一室から尋常じゃない叫びが自分の耳に突き刺さりました。
直後、その一室の網戸を突き破り、叫び声と共に40代と思われる男が飛び出してきました。
男は上半身は服を着用していましたが、下半身は短パン一枚の姿でした。
窓があったところは丁度、目の前にアパートの物置がありましたが、
男は物凄い形相で物置の上に上がろうとしていました。
尋常ではない狂乱を目の前にし、私は「驚く」という人間の本能を忘れていました。
今思えばあの時が本当に思考停止状態なんだと実感しました。
その形相は、人間ではありませんでした…目が一点に定まっておらず、
まるで獣の如く何かをこれから殺すような形相でした。
これが現実なのか夢なのか理解出来なかった私は、気が付くと本能的にその場を逃げていました。
幸いにも男は私を襲う事はありませんでしたが、男は凄まじい狂乱と共に物置の壁を破壊しようとしていました。
近所一体は騒然。遊んでいた子供達も笑顔が消え、叫び声の方を向いていました。
尋常じゃないと察した祖母はその後、110番通報。
駆け付けた警察官は事態の収拾がつかないとしてさらに応援を要請、

パトカー計3台が絡む大掛かりなものとなりました。
警察官は署に任意同行を求め、その後男は取り調べを受けることになりました。


そして後日、その事が10日(火曜日)の読売新聞の12版 29頁の地域欄 ―事件事故― に掲載されていました。
記事内容を下に記します↓


覚せい剤使用容疑で逮捕
周南署は9日、周南市の無職三輪剛容疑者(44)を覚醒剤取取締法違反(使用)の疑いで逮捕した。
発表によると、8日頃、覚醒剤を使用した疑い。同容疑者宅近くの住民から「騒ぎ声が聞こえる」と
110番があり、同署員が署に任意同行を求めて尿検査を行ったところ、覚醒剤の陽性反応が出たという。

まさかこんな近くで覚醒剤が使用されていたとは…正直、ショックの一言しかありません。
自分が見たあの男の姿は覚醒剤によるフラッシュバックと呼ばれる一連の中毒症状だったのです。
今まで学校や講演会等で、覚醒剤や麻薬の危険性は散々言われてきましたが
これ程まで衝撃的な行動を起こすとは予想にもしていませんでした。
『百聞は一見に如かず』とは言いますが、百聞と一見にこれ程まで差があるのは初めてでした。
ラリっている状態というのを本当に目の前で見た初めての経験でもありました。
私が最初に男を見た時、自分とその男との距離は僅か4mしかありませんでした。
これがもし、男が刃物を持っていたとしたら……最悪の場合、殺されていたかもしれません……
そう思うと、本当に死ぬかと思いました……
 
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、突然目の前でそのような人を見掛けたら貴方はどうしますか?


私はその場を逃げてしまいました。黙ったまま何も言わずに。
この行動は果たして正しかったのか…今でも分かりません。
ただ、命だけは何よりもまず第一に守らなければならないと実感しました。
命を守るという本能が働いた事なのかもしれませんが。


今回の一連の事件で得た教訓は、
『何が何でも絶対に薬物には手を出すな。』
『緊急時は身の安全・命を守ることを最優先に行動する。』

この二つの教訓はおそらく生涯、通用するものだと思いました。