諫早―長崎間で起工式=九州新幹線、初のフリーゲージ導入
同ルートには、新幹線と在来線の両方の線路を走行できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)が
日本で初めて導入される。式典で、羽田国交相はフリーゲージトレインの導入に触れ
「日本の鉄道ネットワークにとって革新的な技術を長崎から実用化することになる。開業に向けて全力で技術開発に努める」とあいさつ。中村知事は式典後、「長崎は人を呼んで栄えてきた街。観光資源などに磨きを掛けて情報発信を進めないといけない」と記者団に語った。開業は2022年度ごろの見通し。
開業すると、博多―長崎間の所要時間は、現在の1時間48分から28分短縮され、1時間20分で結ばれる。
時事通信 8月18日(土)10時30分配信より
長崎(西九州)ルートは36年前に計画されました。長崎市から福岡市を結ぶ、約147kmのルートの事です。
建設反対運動など、様々な問題を抱えていることで有名になってます。
反対運動が起きている理由
- 時間短縮効果が20分程度しか無い
- 長崎「新幹線」は、完全な新幹線とは言えないため“需要の先食い”だけで終わる可能性が高い
- 建設費用だけで4000億円を超え、税金のムダ使いである
- のぞみ・ひかり・こだま などの新幹線列車は長崎には来ない。走るのは現存の特急かもめの改良型。
- フリーゲージトレインは、安全性などに問題があり、実際には運行の見通しが立っていない。
フリーゲージトレインは新幹線規格の軌道と在来線規格の軌道、両方走行可能な列車として以前から
開発がすすめられてきましたが、欧米に比べて開発はあまり進んではいないようです。
フリーゲージトレインを導入しようという計画は、以前は全国各地にあったのですが、
今日では長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)だけといわれています。
車両の価格が新幹線車両の10倍、それに特注線路の敷設、メンテナンスの費用までかかるとなれば、
JR九州として導入できるのかが問題になってきます。
ここでは走行性能について、直線コースでの高速走行について基準をクリア―したとしながらも、曲線区間に
ついて「現行特急の曲線通過制限速度を10~40km/h程度下回る」性能にとどまっていると述べています。
重要なのは、今後の対応として、引き続き開発を続けるとしながらも、「台車(車両)の改良のみでは、現行特急並みの性能を達成することは難しい」と述べ、軌道(線路)の改良と併せて実施するとしていることです。
評価委員会報告はこの数年、在来線の曲線(カーブ)での安定性が確保できないことを繰り返し指摘し、
台車の改良をはかってきました。併せて、高速走行はできるが、走りこんだ場合の高速走行性能に与える影響は明確でなく、検証が必要だとも述べています。
交通手段として第一義的な安全性についての見通しがたたないのが現状なのです。
完全に技術が確立していない実状があるフリーゲージトレインが果たして、
長崎新幹線開業までに技術確立が間に合うかどうかすら危うい今回の新幹線事業。
単純に「早期開業」を目指すにはちょっと問題があるんじゃないかと自分は思いました。