Wafty’s diary

情熱は止まらない 私達は進み続ける

【第35話 S-TF 2.3.1】 SPECIAL ATTACK APPLICANT

17:50。
敵潜水艦 伊-206号 がN-spot 3海域に到達。N-spot 3 海域で突然、動きを止める。
それを追いかけていたフォース達はN-spot 3 海域にて、突然海中が赤く染まるのを目撃した。
思わず海面へ顔を出す。


ザバッザバッザバッ
「ゲホッゲホッ…なんだよコレ…海が真っ赤だ…」
「なに…これ…」
「おいコレって、まさか全部…」






血――――――――――――







「うっ…!」


顔が一気に真っ青になった。
あまりにも非現実な光景に、しばらく言葉を失った。
























「…なんか来る。」
エイルがその沈黙を打ち破る。




陸上隊の指定戦闘員は水ポケモンの助けを借りて、指定されたポイントの海上へと到着した。
偶然にも、そのポイントはフォース達が居た場所だった。アルフィーネさん達は彼らに近付いた。

ザザ…

「あのー…陸上隊の作戦ですか?」
「えぇ。どうも、こんにちは…じゃなくて、もうこんばんはの時間ね。初めまして、第1陸上隊のアルフィーネです。」

エイルはホウエン地方ポケモンを見るのは初めてだった。

「わ!サーナイトだー!初めまして!私エイルって言います。こっち、フォースとネオ君。私の下僕です。」
「「ちょ」」

思わずフォースやネオもツッコんだ。自然と笑みがこぼれる。
エイルは彼らのムードメーカーなのだ。



「へー皆仲良いんだね~。よろしく♪何歳?」
「15歳です!」

「僕と同い年ですね!」

黒耳ポケモンアルフィーネさんの後ろから顔を出す。彼の名前はブラスト。第1陸上隊所属。
人間からブラッキーと呼ばれるポケモンだ。彼もまたこの作戦の指定戦闘員に組み込まれた一員。



「君は?」
「僕?フォースっていいます。で、こっちは」
「あまり注目されたくないんだがな。名乗る必要は無い。」
「…まーた始まったよ。」
「ならば仕方ないあえて言おう!嫌いなもの ≪Human≫!」

「…!」 (ブラスト)

「すまない。コイツ見ての通り、痛くて痛くて…」
「フォースさん!」ガシッ
「へ?」
「彼の本当の名前は!?」キラキラ
「ネオ…だけど…」
「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲!?」キラキラ
「か、完成度たけーな、オイ…って、急にどうしたんだよ。」

「… 呼んでいる 闇の中 紅き月 もう一つの世界 …」

「!」  (ネオ)

「あらら、ブラスト君もうすっかり皆と意気投合しちゃってるわねー^^*」
アルフィーネさん!あれはいわゆる同志の発見って奴ですね!(・ω・´*)」
「いや…同志というか…ただの厨二発言の投げ合いなんですけど…汗」


「で、意気投合したところでブラストよ。さっきから疑問なんだが…何故、陸上隊の指定戦闘員に選ばれた?」
「…それが分かんないんだ。作戦要項を見ると、どうも僕は対象外の様な気がするんだけど。」

「予備よ。」
アルフィーネさんが敵艦船を見ながら、真剣な顔で言った。

「確かにあなたは作戦趣旨では対象外だわ。私の独断で連れてきたのよ。上の方にも言ってあるわ。」
「どうして僕なんですか?」
「勿論、私の後輩というのもあるけど今回は別。最悪の事態を考えての事よ。」
「例の“全て逆の性質に変わる”って奴ですか…」
「…未来を完全に読める存在なんていないのよ、ブラスト君。例えあの子でもね。」
「…はい。」

フォース達にとって、ブラスト達の話は全く理解できなかった。

「何の話してんだ?」
「何でもないよ。こっち(陸上隊)の話。」
「ふーん。でさ、もう作戦時刻になるんだよね?俺達みたいな海上隊の端くれは避難した方がいい感じ?」
「いいえ、あなた達は此処にいても構わないわ。」
「でもアルフィーネさん、彼らは海上隊員ですよ?大丈夫なんですか?」

「あのー私も一応、海上隊員なんですが…」
アルフィーネ達を乗せた水ポケモンが地味にツッコんだ。

「あ…す、すみません…っ!///」
「申し訳ありません…せっかく乗せて下さってるのに無駄話をしてしまって。」
「いえいえ、楽しそうで何よりです。あなた達を見ていて久しぶりに和みましたよ。私もこんな時期がありました。」
「……私達、重くないですか?」
「…ハッキリ言うと重いです(笑) 二名乗るとは思ってなかったので。」

「じゃあブラスト君は俺が乗せるッスよ。」
ネオが提言する。

「ホントかい!?いやー助かるよ。」
「カモーンッ!ブラストォ!」
「ありがとう!大丈夫?」
「余裕なんだぜ。何するかは知らんが、その作戦であの艦船をドカンとやっちまってくれ。」
「まかせろぃ!……」


ブラストが小さく呟いた。
「……やるのは僕じゃないんだけどね。」






17:58。
作戦開始まであと二分。

「いやー助かった助かった。じゃあアルフィーネさん…そろそろ時間です。」
「分かったわ。…そう…敵は、何もしないのね。」
「敵はこちら側の動きに気付いていないんでしょうか?」
「おそらく気付いてる。でも今回、私達それほど敵に近付いていないでしょ?動きを探っているところかしらね。
「N-spot3の大海中戦で勝利した余韻もあるんでしょうね。なかなか攻撃する気配はありません。」
「…彼らは私達を本気で怒らせた。いや、ミライを本気で怒らせたと言った方がいいかしらね。」
「地味な作戦ですが、確実性はかなりあります。」
「では…始めましょう。ここからはコード名で呼ぶわよ。」
「「はい」」

Flexから通知音がした。
ピピッ

“N-spot 3 付近海上 (作戦部隊: 陸2-指、海2-指) (攻撃目標: N-spot3 沖合艦船)
『【作戦名】 S-TF 2.3.1』 作戦開始まであと30秒”




午後6時丁度をお知らせします…ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…


ポーン…




18:00。

A-204 「作戦開始。」
B-1122 「作戦開始。」





ジョウト情報部。
作戦開始と同時に、ミライが呟いた。








































「おかえし」