Wafty’s diary

情熱は止まらない 私達は進み続ける

【第4話 別れ】 SPECIAL ATTACK APPLICANT

 
 
皆を守りたい―――――― 
 
僕はそう強く決心して、大人のエアームドに近づいて言った。
『……やります。俺はやります!!』
 
『おぉ、そうか!頼もしいぞ!それでこそ、エアームドだ!!ありがとう。』
『はい!ポケモン達を…皆を…仲間を…何としても守りたいんです!!!』
『そうか…いい奴じゃないか…よし!!決心はすっかりついたみたいだな!』
『はい!』
 
 
大人のエアームドは、他の仲間達に向けて言った。
 
『…おそらく時期に君達も陸上隊や海上隊などに召集されるだろう。すまないな…。』
『いえ…いいんです。ポケモン達が滅ぶよりはマシですから。』
『そう!このまま人間の思いのままには、させない!!絶対!』
『そうよ!私達の世界は私達自身で守らないと!!』
 
『…なんて素晴らしい若者たちなんだ…私は……君達の強い心に感動したよ…』
 
 
 
大人のエアームドは、外を向いて静かにつぶやいた。
 
 
『君達、若者はまだ未来がある…だから本音を言うと…君達を戦わせたくない………』
 
 
『…………』
 
 
『けれど…もう時間が無いんだ……本当にすまない……悪いのは全て人間世界の人間だ………』
 
 
『…………』
 
 
『君達には何の罪も無いんだ……』
 
 
『…………』
 
 
僕達は彼の話を聞いて改めて、事態の深刻さを知った。
時間が無い―――――――――――
この言葉の意味がいかに重いかが身にしみてわかった。
 
『取り乱してすまない…エアームド君…では…そろそろ皆に別れを告げないと……』
『はい……うっ……ぐす……』
自然と目から涙が出てきてしまった。
これで仲間と会うのは最後かもしれないと思うと、次から次へと涙が出てしまう…
 
エアームド…元気でな…またいつか会おうな…』
『頑張れよ。応援してるぜ…何処かでまた会おうな…』
『ありがとう…エアームド君…一緒にいて凄く楽しかったよ…また…会おうね………』
 
 
 
『う…………うぁっ……ぁ…ありがとう…みんな…………うぐ…く…………』
 
 
 
 
僕はこらえきれずにその場を飛び去って叫んだ。
『……さよならっ…………・さようならぁぁぁぁぁぁぁあああああっ!!!』    
 
『あ!エアームド君!……』
他の仲間は皆一斉に、この言葉を口にした。
 
 
 
 
 
 
 
『彼は…きっと強くなってこの地に帰ってきますよ…では…失礼します。』
大人のエアームドは、他の仲間達に深くお辞儀をして僕の後を追っていった。
 
 
 
 
 
 
皆の声が遠くで聞こえた。
 
エアームドォ!!さようならあああああああああっ!!!』
『さようならぁぁああああああああああっ!!』
『さようならぁぁああああああああああっ!!』
 
 
 
 
 
僕は涙をずっと流したまま行くあても無く、飛び続けた。
ただ…あの悲しい状況から逃げたかっただけなのかもしれない……。
 
気が付けば、人間の宣戦布告から6日目の夕日が西に沈みかかっていた。
 
 
 
 
 
流した涙は夕日を受けてキラキラと輝きながら横へ流れていった。