Wafty’s diary

情熱は止まらない 私達は進み続ける

【大井川鉄道】そこは不思議の国でした (第6回)

横見裕彦氏も大絶賛、大井川鉄道を訪ねる旅。第6回です。

ちなみにお気付きの方もいると思いますが、大井川鉄道の正式な表記は 『大井川道』 です。
ここでは文字変換の難しさなどを考慮して 大井川鉄道 と表記させて頂きます。ご了承下さい。


さて、前回までは大井川本線をメインにした旅をして参りました。
この不思議の国 『大井川鉄道』 を様々な視点で見ていただけかと思います。

今回からは更に別の世界。大井川本線を離れ、いよいよ井川線の旅になります。


◆2日目途中(第6回)までのルートです。

【泊】 千頭 … (徒歩5分)

千頭 8:18
↓(大井川鉄道 井川線 井川方面)
途中の 「アプトいちしろ」 まで掲載。



不思議な国の旅、2日目です。いよいよ、ここからは井川線です。
通称 『南アルプスあぷとライン』 と言われている区間です。アプトという名がある通り、
この井川線最大の目玉は長島ダム~アプトいちしろ間に採用されている日本で唯一のアプト式鉄道。
見ていて不思議。乗っていても不思議。一区間ってのもこれまた不思議なのが井川線アプト式です。
そのアプト式については後に登場します。それでは、千頭からスタート!


おはようございます。時刻は朝の8時12分、千頭駅です。
金谷方面に南海電鉄21000系が停まっていますね。相変わらず、もの凄い古いオーラです。
是非乗ってみたかったんですけど、今回は井川線が目的なのでお預けです。

イメージ 1



するとここで、井川線を旅するなら飲み物とか食料はここで買い溜めしといた方がいいですよ。」
千頭駅の駅員さんから有り難い一言。というわけで、駅構内で例の喋る自販機こと「DyDoさん」で飲物を購入。
購入するのは安定の静岡茶。(キリッ← 自販機なのに静岡茶が売ってあるってのが流石だと思います。

ちなみに食料については民宿で頂いたお菓子の類で足りると思ったので、特には購入しませんでした。
何故なら、朝食のボリュームが高くて 「これ、昼食なくても大丈夫やね(笑)」 みたいな話になったからですw

すると更に親切な駅員さんから一言、「あ、車内にトイレ無いんで先に行っといて下さいね。」
そうそう。この井川線は特殊で全列車が客車列車なんですよね。トロッコを繋ぎ合せたようなそんな列車。



トイレを済ませた後、井川線のホームへと向かいます。出迎えてくれたのは、小さくて可愛い玩具のような列車。
よく見ると朝始発の列車なため、客車の数が多い。途中の接阻峡温泉で後ろ半分の客車を切り離すそうです。
だから、乗務員の人数も多いというわけです。勿論、ドアは全て手動で開閉します。

イメージ 2



発車時間も近付いてきたので、3号車あたりの客車に乗ります。…にしても、小さいですね (笑)
車内で立つと頭が天井に付きそうなくらいです。でも、線路幅は1067mmナローゲージでは無いんです。

イメージ 12



「いってらっしゃーい!」
駅員さんの声が響く中、列車は千頭駅をゆっくりと出発します。

イメージ 13



直ぐに、井川線特有の走行中の車輪が軋む音が響きます。この音が何とも言えないトロッコ感を出してます(笑)
右隣に大井川と千頭大橋が見えてきました。その下をくぐります。

イメージ 14



「本日は大井川鉄道井川線南アルプスあぷとライン”をご利用下さいまして、ありがとうございます――――」
井川線の列車は全て車内アナウンス付き!駅ごとに色々解説してくれます。

イメージ 15



井川線は非常にカーブが多く走行中は車輪が軋む音が絶えません。
そのため井川線の機関車および制御客車は水撒き装置を備えています。

イメージ 16



隣の川根両国」に到着です。数分といったところでしょうか。待避線に貨車が沢山停まっていますね。

イメージ 17



川根両国を出発した列車は、段々山間部へと入っていきます。立派なワイヤーの吊り橋が見えますね。

イメージ 18



トンネルへと入りました。冷たい空気が車内を筒抜いていきます。夏ですが、寒いくらいに感じるほどです(笑)
車輪が軋む音がトンネル中に響き渡ります。
この井川線は終点の「井川」まで61ヵ所のトンネル、55ヵ所の鉄橋があるそうですよ。

イメージ 19



元々、井川線762mm軌間でダムを造る資材を運ぶために作られた路線でした。
その後、貨車を直通させるために1067mmにしましたが、トンネルなど車両限界が小さい事から車両も
軽便鉄道程度の大きさのものとなっています。 「軽便より小さい」 と言われる事もあるそうです。
沿線住民からは 『エンジン』 という愛称で親しまれているのだとか。
これはもともと千頭森林鉄道の愛称であり、車両が似ているため引き継がれたものと考えられています。

イメージ 3



ここは大井川水系の3つの川が合流する地点。あぷとラインの名所でもある3つの川の合流点「三叉峡」です。
大井川と寸又川、横川という3つの川が合流する場所で、列車はスピードを落とすサービス運転を行います。

イメージ 4



「土本」という駅に到着です。駅前には民家が4軒ほどあります。
駅前にある4件のお宅のうち3件が土本さんです。土本さんのためにある駅ですね!

イメージ 5



どんどん山の中に入ってきます。木々の緑が鮮やかですね♪

イメージ 6



川根小山」に来ました。
この付近のカーブから列車を撮ってみると、この列車の長編成っぷりが分かります。

イメージ 7



「奥泉」です。ここは有人駅で寸又峡温泉へのバスが出ています。列車交換が可能な駅でもあります。
ここから観光バスで来たと思われる観光客が数十人ほど乗車してきました。

イメージ 8



立派なアーチ橋が見えてきました。

イメージ 9



「急停車します、ご注意くださーい」 キィィーッ
突然、アーチ橋の下を行く手前で運転士さんのアナウンスと共に列車が停まりました。何があったのでしょうか。

イメージ 10



すると運転士さんのいる制御客車から運転士さんが線路上に降りていき、線路上にあった何かをポイッ。
「えー線路上に木の枝が落ちていたので列車、しばし停車致しましたことをご了承ください。では出発しまーす。」
その場にいた乗務員を含め、全員が愛想笑い。どうやらここでは日常茶飯事の様です(笑)




さて、列車はいよいよ「アプトいちしろ」へと到着しました。

イメージ 11


ここから隣の長島ダムまでの一区間は、日本で唯一のアプト式鉄道となっています。
アプト式鉄道については次回、詳しく記そうと思います。






第7回に続きますノシ